略奪的なその恋に、本気の愛を見つけた
えーっと、ちょっと落ち着こう。
江藤くんとの思い出が頭の中を駆け巡る。

会社でいつも気にかけてくれる。
わからないところを丁寧に教えてくれる。
ご飯にも付き合ってくれる。
愚痴も聞いてくれる。
結婚式に乗り込むと言ってくれた。
さらいに行くと言ってくれた。
俺がいるよ、俺にしとけって。って。

全部全部、私に向けられたメッセージだった?!

意識したら余計に胸がドキドキして、顔なんて沸騰寸前だ。
今にも湯気が出そう。

ちらりと彼を見たら、

「俺はずっと前から辻野さんが好きだよ。」

真剣な眼差しで言われて、私は息を飲んだ。
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