略奪的なその恋に、本気の愛を見つけた

私がスマホを置くと、江藤くんがこちらを見て微笑んでいる。

あ、そっか。
私が撮ってたから、食べずに待っててくれたんだ。

「ごめん、待っててくれてありがとう。」

「うん？そんなの謝らなくていいよ。辻野さん、そんな遠慮深い人だっけ？」

からかうように笑いながら言う。

私が気を遣うような発言をするとき、いつも何でもないように少し冗談めいた返事をして気を紛らわしてくれる。
そういうの、胸がぎゅっとなるんだよなぁ。

江藤くんの細やかな優しさに包み込まれて、ふわふわとした気持ちで食事を楽しんだ。
美味しくて可愛くて楽しくて、目の前にいる彼が笑っていて、時々冗談を言って笑わせてきて。

それがどれほど幸せか。
胸がいっぱいすぎてやばいなぁ。