あれは、 溺愛王子の ヤキモチでした
今までに一度も聞いたことがないような弾んだ声が、俺に向けられたものじゃないって思ったら。
俺の中が真っ黒になった。
真っ黒なタールみてぇなドロドロの感情が渦になって、足からずぶずぶと埋まっていくような感覚に襲われた。
『「先輩」には、随分と積極的なんだな』
俺だと気付いて倒れそうになったアイツを支えたら、思いっきり拒絶顔で頬を叩かれた。
寄ってくる女なんかゴマンといるのに、なんでアイツだけ俺を拒絶するんだよ……
大惺なら良くて、俺じゃダメなのかよ……