敵役令嬢はラスボスに求婚される。
ヴィアーヌさんが、言う事は最もだ。
騎士なんて必要ないと言われるくらいが平和な証拠だ。けれど現在のクレシア王国は戦争自体はしていないが、けして平和であると言えるような状況に無い。
これは、騎士になって知ったことだが何年か前にサルスーン帝国の帝王が息子に弑逆され代替わりをしたのだ。その息子、現在のサルスーン帝国帝王が戦好きで領土拡大を掲げて近隣諸国を次々と攻撃しているのだとか。そして、ついに昨年クレシア王国の隣国である小国、スベカネラ国が侵略、吸収されてしまった。現在では、旧スベカネラはサルスーン帝国の一部である。クレシア王国は、いつサルスーン帝国に攻め込まれてもおかしくは無い状況下にあるのである。
私達が警備に当たっているのはサルスーン帝国との国境とは逆の北側、北方民族側の国境だからサルスーン帝国の事はあまり関係が無いと思っている。
「ごちそうさま。」
ヴィアーヌさんが食事を終えて食器を下げ始めた。
「あっ、食器は置いといて構わないのでもう、休んでください」
「ありがたくそうさせてもらう。」
ヴィアーヌさんは、ぶっきらぼうにそう答えて自室に帰っていった。
本来なら明日一日休みだが、私についてくれるおかげで朝からまた、仕事になるのだ。
今夜は冷えるな。春なのに夜はまだ冬のような寒さだ。ナルさんに温かい夜食でも持っていこう。
夜の10時くらいに温かいスープとパンを持って、警備を続けるナルさんの元へ向かった。
やぐらの上で警備をしているナルさんに声をかけて、食事を上まで持っていった。
「ありがと、やっぱり気が利くパートナーがいるってのはいいなぁ」
とても、喜んでくれた。
「少しだけ休憩してください。その間私が警備してますから。」
そう言うと、ナルさんはやぐらの上に座ってスープとパンを食べ始めた。
「明日、ナルさん王都に行くんですよね。報告に。」
各地にバラバラに散らばっている青の騎士団の騎士たちは、数日に一度王都へ数日間の報告へ行かなくてはならない。明日は、一人だけ休みのナルさんが行く。
「仮眠をとって行くとはいえ、寝不足な事に変わりは無いんですから気をつけてくださいね。って寝不足の原因の私が言うのも何ですけど。」
心配して言うと、ナルさんは笑いながら
「いやー慣れると、寝ながら馬に乗れるぞ。」
と、とんでもない事をいいだした。
「そんなの、危険すぎます!!やめてくださいよ!」
「レイトアーノは、心配性だなぁ。俺は兄弟は男しかいないが妹がいたらお前みたいなのかな。」
ナルさんが、まじまじと私を見ながら言った。
「私も兄はいませんがナルさんやヴィアーヌさんの事は兄のように思っています。」
「それは、嬉しいな。ヴィアーヌに言ったら絶対喜ぶぞ。」
いや、絶対眉間にシワをよせるに決まっている。
予想できる。
「さて、美味い夜食にもありつけたしそろそろ休憩は終わりにするよ。お前も明日の朝早いんだからもう寝ろよ。」
ナルさんが立ち上がり警備に戻るのを横目に「おやすみなさい」と、一言残して私も宿舎に戻った。
騎士なんて必要ないと言われるくらいが平和な証拠だ。けれど現在のクレシア王国は戦争自体はしていないが、けして平和であると言えるような状況に無い。
これは、騎士になって知ったことだが何年か前にサルスーン帝国の帝王が息子に弑逆され代替わりをしたのだ。その息子、現在のサルスーン帝国帝王が戦好きで領土拡大を掲げて近隣諸国を次々と攻撃しているのだとか。そして、ついに昨年クレシア王国の隣国である小国、スベカネラ国が侵略、吸収されてしまった。現在では、旧スベカネラはサルスーン帝国の一部である。クレシア王国は、いつサルスーン帝国に攻め込まれてもおかしくは無い状況下にあるのである。
私達が警備に当たっているのはサルスーン帝国との国境とは逆の北側、北方民族側の国境だからサルスーン帝国の事はあまり関係が無いと思っている。
「ごちそうさま。」
ヴィアーヌさんが食事を終えて食器を下げ始めた。
「あっ、食器は置いといて構わないのでもう、休んでください」
「ありがたくそうさせてもらう。」
ヴィアーヌさんは、ぶっきらぼうにそう答えて自室に帰っていった。
本来なら明日一日休みだが、私についてくれるおかげで朝からまた、仕事になるのだ。
今夜は冷えるな。春なのに夜はまだ冬のような寒さだ。ナルさんに温かい夜食でも持っていこう。
夜の10時くらいに温かいスープとパンを持って、警備を続けるナルさんの元へ向かった。
やぐらの上で警備をしているナルさんに声をかけて、食事を上まで持っていった。
「ありがと、やっぱり気が利くパートナーがいるってのはいいなぁ」
とても、喜んでくれた。
「少しだけ休憩してください。その間私が警備してますから。」
そう言うと、ナルさんはやぐらの上に座ってスープとパンを食べ始めた。
「明日、ナルさん王都に行くんですよね。報告に。」
各地にバラバラに散らばっている青の騎士団の騎士たちは、数日に一度王都へ数日間の報告へ行かなくてはならない。明日は、一人だけ休みのナルさんが行く。
「仮眠をとって行くとはいえ、寝不足な事に変わりは無いんですから気をつけてくださいね。って寝不足の原因の私が言うのも何ですけど。」
心配して言うと、ナルさんは笑いながら
「いやー慣れると、寝ながら馬に乗れるぞ。」
と、とんでもない事をいいだした。
「そんなの、危険すぎます!!やめてくださいよ!」
「レイトアーノは、心配性だなぁ。俺は兄弟は男しかいないが妹がいたらお前みたいなのかな。」
ナルさんが、まじまじと私を見ながら言った。
「私も兄はいませんがナルさんやヴィアーヌさんの事は兄のように思っています。」
「それは、嬉しいな。ヴィアーヌに言ったら絶対喜ぶぞ。」
いや、絶対眉間にシワをよせるに決まっている。
予想できる。
「さて、美味い夜食にもありつけたしそろそろ休憩は終わりにするよ。お前も明日の朝早いんだからもう寝ろよ。」
ナルさんが立ち上がり警備に戻るのを横目に「おやすみなさい」と、一言残して私も宿舎に戻った。