敵役令嬢はラスボスに求婚される。
長と思われるおじいさんにそう言って頭を下げた。

「わしは、サビルズ族の族長テシだ。齢100を有に超えておるが、わしと話をするために捕まったアホはお前か初めてじゃ。」

サビルズ族とは、彼らの民族名称だ。北方民族は、クレシア国の人間から見た言い方である。

確かに、誇り高い彼らに北方民族と言うのは良くないことだろう。

「お褒めに預かり光栄です。それでは私の話を聞いてくれますか?」

私の質問に、テシ族長は「面白いから今回は許してやろう」と、私の前に椅子をだしドカッと座った。

「では、単刀直入に申し上げます。クレシア国に攻め込むのをやめて頂きたいのです。加えて、我が国と同盟及び、不可侵条約を結んで頂きたい。」

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