敵役令嬢はラスボスに求婚される。
「今日、あなた方が武装をしているのを発見して、おそらく雪解けと共に進軍してくるのだと分かりました。しかし、戦に長けたあなた方が、わざわざ武装の準備を見せるヘマなどしないと思ったのです。これは、おそらく罠。青の騎士団の集中をあなた方に向け、南側のサルスーン帝国が攻め込む算段なのではないなと予想しただけです。」

思いつきで理由づけしたには、よくできた理由だった。さすが、私だ。前世でも“ブラフの櫻田”と呼ばれていただけの事はある。嘘とハッタリで犯人に自供させていたらそんな不名誉なあだ名をつけられてしまった。

それが、こんなところで役に立つなんて人生何かと経験しとくもんだと思う。

「お前のような小娘が、そこまで頭が回るとはな。」

すっごく疑いの目で見てくるテシ族長。

「これはある兵法の応用です。声東撃西と言って、東で声を上げて西で撃つと言う兵法があるんですけど、今回はそれの南北バージョンかなって。」

歴史本で身につけた知識ナイス!役に立たない知識と同僚にバカにされたが、役に立ちまくってるじゃないか。

これで、信憑性が上がっただろう。

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