敵役令嬢はラスボスに求婚される。
随分と長々とまくしたててしゃべってしまった。

族長は、剣を鞘に収め少し考える様子に見えた。

しばらくして、静かに隣のものに「この小娘を縛ったまま牢に放り込んでおけ」そう言って、奥へと消えていった。


あぁ。だめか。届かなかったか。

このまま私は、殺されて戦で国は混乱し荒れ果てるのだろうか。

自分の無力さを呪うしかなかった。

私は屈強な男たちに連れられて、質素……いや薄汚い牢に放り込まれてしまった。

(今頃、ヴィアーヌさんは騎士団の騎士たちを連れてやぐらに戻ってきてるだろうか。私がいなくて、きっと驚くのだろう。)

そんな事を思っていると、なんだか突然悲しくなってきた。

結局、戦は止められず青の騎士団は壊滅状態。

嫌な未来が頭に浮かんだ。

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