敵役令嬢はラスボスに求婚される。
仕方がないので聞くことにした私は、適当に返事をした。

「お前の話を受けるかどうかじゃ。」

「………は?」

殺されるものだと思っていた私は、理解ができずにいた。

「反対の声も出たが、わしはお前の話に乗っても良いと思っている。」

またしても、予想打にしない発言に開いた口が塞がらない。

「え?なんで……」

「お前が、言ったのではないか。誰かがグッとこらえて平和への一歩を踏み出さねばならぬと。それから、わしらは義理堅く、情に熱い民族だと。お前の言葉に、そのとおりだと思ったのだ。いつまでも睨み合いをしていても、仕方がない。わしも、どこかで終わらせなくてはならぬと思っておった。」

族長の口から信じられないほど、嬉しい言葉が発せられている。

「本当ですか!?和解して、同盟結んで、不可侵条約、平和条約結んでくれるんですか!?」

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