敵役令嬢はラスボスに求婚される。
青の騎士団
朝5時。  軽く身支度を整えて宿舎の庭で春の風を感じながら素振りをする事から私の一日は始まる。 

騎士の殆どが貴族出身では、あるけれど皆王宮の中にある騎士の宿舎で寝泊まりをしている。

宿舎と言ってもかなり、立派なもので私一人の部屋ですら、前世の実家のリビング位の広さはあるんじゃないかと思う。現在、女性騎士が私だけだと言うこともあり、このだだっ広い部屋を下っ端の分際で一人で独占している状態だ。

騎士になるには、四年に一度の騎士採用試験を受けなくてはならず15歳から試験の受験資格が与えられる。勿論女性と言うことで特別な贔屓があるわけでもなく完全なる実力社会だ。

私は3年前15歳で試験を突破し、唯一の女性騎士になった。女性にも受験資格があるとはいえ、王国初の事らしく鼻が高かった。しかし、母は落ち込んだ。それも、そうだ。弟がいるものの唯一の娘が花嫁修業では無く剣術修行を始めたのだから面白くないだろう。そんな母を父の説得もあって丸め込み、今日に至るのである。

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