敵役令嬢はラスボスに求婚される。
「信じる信じないは別として、話くらいはちゃんと聞く。その上で、一つの可能性として視野に入れただろう。」

意外な返答に驚いた。突然優しさが垣間見られた。

「まあまあ、結果的には北方民族との長年のにらみ合いが終わる可能性を引き出せたのは、レイトアーノの勇気ある行動のおかげな訳ですし、今回は厳重注意と言うことで手を打てませんかね?団長。」

ナルさんが、見かねてわたしの事を庇ってくれた。

「厳重注意…」

ポツリとつぶやきシアロン団長は、考えている様子だった。

嫌な予感しかしないのは私だけだろうか。

「そうだ、ちょうど雑用係を一人探していたんだ。お前、お前への罰は私の雑用係だ。ついでに、私直々に教育係になってやる。お前を1から鍛えてやろう。」

あぁ。ほら。フラグなんて立てるから。すぐに回収されたじゃないか。

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