敵役令嬢はラスボスに求婚される。
「あ、朝だ。結局徹夜だったけど、まぁ1日2日徹夜するくらいどってことないわね。」
自画自賛していると、空が明けそうなことに気づいた。

窓の外の段々と白んでゆく空がきれいで、私は窓を開けた。

少し冷たい風がフワーっと部屋の中を満たしてゆく。
この、冬の寒い風でもなく夏の暑い風でもない、なんとも言えない冷たさの風が心地よくて好きだ。

しばらく風を浴びていると朝日が登り始めた。

この朝日を浴びないのは勿体無いと思い、いつもよりは早いが朝の鍛錬をする事にした。

シアロン団長の部屋は知らないので、勝手に屋敷の外へ出て、庭を拝借した。

走り込みに始まり、素振りや筋トレ。

何時ものメニューをこなし気持ちの良い汗をかいた。

「水浴びしたいな。宿舎に帰らせてくれないかな」

独り言をストレッチをしながら呟いていると、背後から嫌ーな気配を感じた。

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