恋の餌食 俺様社長に捕獲されました
「男の人に花をいただく夢のようなことが、この私に起こるなんて……」
叶わないと諦めていた。一生そんな事態は起こらないと。
「そこまで喜んでもらえるとはね。買って正解だな」
一樹は顔を綻ばせた。
もしかしたら、一樹も自分を少しは好きでいてくれているのではないかと勘違いしそうになる。
「それから、これも」
一樹は手にしていた紙袋を梓に差し出した。
そこには、ブライトムーンのロゴである〝BM〟が書かれている。
「……それは?」
まさか中身もブライトムーンの商品ではないよね?と思いつつ、一樹に問いかける。紙袋だけで、中身はまったく違うものが入っていると思いたい。
「この前、この店のパンプスがよく似合っていたから。別のものもどうかと思ってね」