恋の餌食 俺様社長に捕獲されました
「なんとなく履いてみようかなって思っただけよ」
一樹に自信をつけさせてもらえなければ、本当に履かずに一生を終えただろう。
一樹のそばにいると、背や髪のコンプレックスが逆に長所に思えてくる。
ただ、日曜日に一樹からのプレゼントを断ったことは、実は梓の心の中でまだくすぶっていた。
(私、一樹さんを傷つけたよね)
好き嫌いの感情はともかく、その人のためにと思って用意したものを拒絶されたら、あまりいい気はしないだろう。
少なくとも、選んでいるときには梓のことを考えていてくれたのだろうから。
なんとなくそのままになっていたが、またあとで謝ろうと梓は決めた。