恋の餌食 俺様社長に捕獲されました
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翌日、梓は有給休暇を取って久城総合病院に来ていた。多香子のカテーテル手術が行われるためだ。
この日は陽子も店を休み、梓と一緒に付き添っている。手術を終え、体調が整い次第いよいよ退院できる。
「おばあちゃん、頑張ってね」
手術用の病院に着替え、ストレッチャーにのせられた多香子の手を握る。
「はいはい、頑張りますよ。久城先生ですからね、なんの心配もしていないわ」
そうして病室を出ようかというときだった。
タタタッという足音に続けて、「社長さん!?」という陽子の声があがる。
梓が見れば、そこには一樹の姿が。急いできたのか息が荒く、肩を弾ませていた。
呼吸を整えてから、なにごともなかったかのように「こんにちは」と笑みを浮かべる。
「どこの王子様が来たのかと思いましたよ」
爽やかな登場の仕方に多香子はお茶目に笑った。