恋の餌食 俺様社長に捕獲されました

「梓の唇、甘いな」
「それはきっと、バニラアイスだと思います」


食後に食べたアイスの香りが残っているのだろう。


「違う。梓の唇はいつも甘いよ。それに引き寄せられる俺はミツバチかなにかか」
「一樹さんはミツバチというより、スズメバチです」


ハチの王者的な存在。圧倒的に強く逞しい。


「それはまた、ずいぶんと攻撃的で恐ろしいイメージじゃないか?」
「ですが、ミツバチではないですよね?」


梓が大まじめに聞き返すと、一樹はふっと表情を崩した。


「それなら梓は、極上のハチミツだな」


そう言って、梓に再び口づける。唇を割って入ってきた舌は梓と絡められ、刺激的な快楽を生み出していく。ゆっくりとソファに倒され、キスは首筋へ移動した。

一樹の熱い唇が触れるだけで、梓の口から切れ切れの吐息が漏れる。

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