恋の餌食 俺様社長に捕獲されました
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翌日、一樹は、商店街の会長であり和菓子屋の三代目でもある栗田健太郎(くりた けんたろう)をクレアストに招いた。
学生時代にアメフトをやっていたという栗田はとても大柄な男で、第一印象は威圧感の塊だった。しかし、口を開けば温厚な様子がわかる。
彼によれば、商店街の近況については一樹が予想した通り衰退の影がじわじわと迫っているとのこと。商業ビル誘致に賛成している会員は商店街に愛着こそあるが、仕方がないといった諦めモードなのだという。
栗田自身は反対の立場をとっており、それらの会員をなんとか引き留めようと奔走しているらしい。
一樹はその話を踏まえたうえで、さらに一週間後、ある提案をしようと再びクレアストへ栗田を招いていた。
「商店街を再生させるつもりはありませんか?」
一樹は向かいに座った栗田へ、真剣な眼差しを向ける。
「再生、ですか? そんなことが可能なんでしょうか?」
半信半疑といった様子で目を瞬かせる栗田に、一樹は強く頷いて手もとの資料を手渡した。