恋の餌食 俺様社長に捕獲されました
生まれたばかりの一樹の目はくりくりとまん丸。赤ちゃんにしては整った顔つきをしていて、とても愛らしい。
「うわぁ、かわいいですね」
あやされて笑っている写真は、オムツのCMにでも出られそうなくらいかわいく、将来有望が間違いなしといった感じだ。
「だろう?」
一樹もまんざらでもないらしい。自信満々に笑う。
幼稚園、小学校と写真の時間が進むにつれ、一樹の顔立ちがだんだん出来上がってくる。幼さの中にも、意思や芯の強さが見てとれる。
友達と写るものは、たいていがセンター。きっと、いつも輪の中心にいたのだろう。
梓とは正反対だ。
高校生の頃になると、にっこり笑った顔は今とそれほど変わらない。
「イケメンだろ」
「はい。きっとモテましたよね」
「そりゃあもう大変だったよ。学校中の人気を独り占め」
「さすが一樹さんです」