恋の餌食 俺様社長に捕獲されました

「それと、これも」


今度は小さな長い包みを梓に差し出す。


「……これは?」
「ネックレス」
「どうしてですか?」


そんなに次から次へとプレゼントされ、さすがに戸惑う。


「いや実はさ、梓にパンプスをプレゼントするって話を三島にしたら、恋人に靴は贈るものじゃないって言われて」
「そういえば、私もそんな話を聞いたことはあります」


たしか、その靴を履いて遠くに行ってしまうとかいうジンクスだった。


「だから、このネックレスでそれを帳消しにしようっていう作戦」
「縛りつけるってことですね」


梓は思わず笑ってしまった。
ネックレスは独占の意味合いがある。


「そういうこと。梓は俺のもの。俺以外のところには絶対にいかせないっていう固い決意だ」
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