恋の餌食 俺様社長に捕獲されました
ペナルティは蜜の味?


豪華客船に泊まった翌日の日曜日。梓は、電車を乗り継いである場所へ向かっていた。

穏やかな午後の日差しを浴びながら、のんびりと電車に揺られる。そうしていると頭に浮かぶのは、創立記念パーティーでの一幕だ。

急きょ泊まりになったため、着替えの心配をしてくれた一樹が友里恵に連絡。
おかげで梓は、友里恵にこっそり下着のサイズまで伝えなければならず、恥ずかしくてたまらなかった。友里恵が事務的に返すから、さらに決まりが悪い。

サイズを暴露するのももちろんそうだが、下着の準備というのが生々しさを増長させるからいけない。もちろん、一樹とは二度のキス以上はなかったけれど。

シャワーを浴びた後、一樹は仕事があるからとリビングスペースでノートパソコンを広げ、梓はベッドルームで休むことに。
一樹が仕事を終えたら、ベッドを譲って自分はソファへ移ろうと思っているうちに寝入り、気づいたときには朝。
焦って飛び起きてみれば、一樹はリビングのソファで足を投げ出して眠っていた。

一樹の車で自宅まで送り届けられた昨日は、母・陽子(ようこ)に朝帰りをあれこれとおもしろがって詮索されたが、女友達と一緒だったと言い張り、事なきを得た。

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