代行秘書 ときどき レンタル彼女⁉
「体調、どうですか?」
その距離感ヤベぇから……近過ぎ。
昨日のまだ記憶に残っている艶やかさが一気に蘇ってきた。
「えっと……これはどういう状況?」
すみません、圭介と飲み出して以降…全く記憶がございません。
頭も少し…痛いです。
「覚えてないんですか?飲み過ぎて泥酔してましたよ?どっちが強いかなんて…あんな事二度としないでくださいね?賭け事なんか…」
怒られてると萎縮したが最後は何か自ら赤面してて……アレ?
そうか、思い出した。
俺は圭介と紗和を賭けて勝負してて……って何で紗和がそれ知ってんだ?
「ごめん……なさい」
とにかく謝ろう。
紗和に迷惑かけた事は事実だから。
リムジンで送られここまで運転手と一緒に運んでくれたと聞いた。
様子を見てたらいつの間にか自分も寝落ちしちゃった事も。
「もう大丈夫そうですね?良かった……じゃあ帰りますね?あ、ひざ掛け借りちゃいました」
キレイに畳んで、行こうとする紗和の腕を掴んだ。
揺れる髪がまだ気持ちを落ち着かせてくれない。
大きなその瞳がまた俺を酔わせる…?
抱きしめたいとか、行かせたくないとか、好きだからとかの気持ちを通り越してただ単に………
静かな朝の空間で鳴り響くお腹の音。
全く……タイミング良いぜ、腹の虫。
「お腹すいた……」
本気ですがる俺にプッと吹き出す紗和の笑顔が少し空腹を和らげた。