代行秘書 ときどき レンタル彼女⁉
《意のまま欲望のまま、支配する》




3日後。
静かに停まるBMW。
降りてきたのはどこから見てもスマートで完璧な容姿を持つあの人。



「おはようございます、副社長」



とびきりの笑顔で迎える。
少し伸びた髪も綺麗にセットしてある。
私を見るなり優しく微笑んでくれる素敵な朝。



「おはよう、深山」



職業柄か、ほんの数ミリ曲がっているだけで気になってしまう。
目の前に立ち、そっと手を伸ばす。



「失礼します」



真っすぐ直してあげるネクタイ。
そのまま視線が合うけどサッと離れる。
エレベーターのボタンを押し、乗り込んだらその日のスケジュールを伝えていく。



何気ない日々が舞い戻った……気がしたんだけどな……



どうやら私が倒れた際、副社長が抱きかかえ運んだようで…激しく動揺した副社長はその時私を「紗和」と叫んでいたそうな。
もうすでに社内で噂の的です、私達。
堀越社長と三角関係なのもおまけ付き。



フロアに到着したらやっぱりチラチラ視線を感じる。
ヒソヒソ話されるような視線ではなく、何故か周りが見守る形の視線だ。
朝一番、皆に手を握られこう言われた。



「お願い、副社長を支えてあげて?深山さん来てから本当に変わったの!深山さんがそばで笑うだけで副社長幸せそう」



「お似合いだからそうであってほしいなってずっと思ってました!何か嬉しいです!」



「副社長をここまで変えれるのは深山さんだけ!会社安泰の為にも辞めないでいてあげてね?」



「私達、応援してます!」






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