代行秘書 ときどき レンタル彼女⁉



凄い勢い………思わず後ずさり。
悪い噂立てられるよりマシだけど。
もう迂闊に副社長室入れない……
でも容赦なく内線は鳴り続ける。
堂々と仕事だけすればいい、そう自分を奮い立たせるしかなかった。




「深山、ちょっと…」



真剣な赴きで副社長に呼ばれる。
早速伺うと両手を顔の前で合わせて「お願いがあります」と懇願してきた。
何だか凄くお困りの様子で……?



「やっぱり明日の土曜日……会食キャンセルしてくれないかな?」



「何か予定でも?」



「その時間…プライベートに使ったらダメ?実はあいつらが来る事になっちゃって」



「あいつら…?」



「覚えてる?俺とデートした日の最後の方で会ったあいつら」



「あっ…!たくさん居たお友達ですよね?」



「そう、どうしても家に来たいっていうもんだから…その、ホームパーティー的な?」



「良いですよ、三島会長には上手く伝えておきます」



快くOKしたらまだ話は終わってないみたいで少し焦ってる副社長。



「それでなんだけどっ…!そこに……紗和が居てくれたら……う、嬉しいかな…なんて。無理なら断ってくれて全然いいから!病み上がりだし、俺何言ってんだろな?悪い、忘れてくれ」



勝手に一人で喋って無理やり解決しようとしてる。
言ってるそばからテンション下がりまくりなんですけど?
来て……欲しいんだよね?
元気のない背中が可笑しくて笑ってしまった。
振り向いても頭をかいてる。






< 150 / 278 >

この作品をシェア

pagetop