代行秘書 ときどき レンタル彼女⁉



でも今は本当にそういう関係になっちゃってるからどう反応するのか。
とりあえずまだ敵対心むき出し……といったところだろうか。
フン!てな感じて先に家に入っていく。



皆も中に入って行くけど副社長はちゃんと私がスリッパを履くまで待っててくれる。
やっぱそういうとこマメなんだね。
優しく微笑んで皆の元へ向かう背中。
そっと摘んで足止めする。



振り向いた副社長の手を自分の腰の後ろに持っていけばめっちゃ密着するよね?
一番最初に植え付けておくの。
あの人に揺らがないようおまじない。



「お待たせ」



驚く副社長を見上げて鼻同士をくっつける。
あえてキスしないスイッチの押し方に興奮しちゃうのも想定内。
壁側に押し倒されてキスされた。
皆にバレないようにっていうドキドキ感を2人で味わう。



リビングに行くとありとあらゆる料理やお酒が並んでいて本格的なホームパーティーだった。
本当にシェフとか呼んじゃうんだ……ぶっ飛び過ぎてるな。



「そもそも2人ってどうやって出会ったわけ?」



友達の一人がいきなり質問してきた。



互いに見つめ合ってはにかむ。
大学時代の友達なら言ってもいいよって事前に伝えてある。
ただし、便利屋である事は明かしてはならない。


「えっと…社内恋愛だよっ」とぶっきらぼうに副社長は答える。



「え、じゃあ受付嬢だ?」



私に聞いてきたから恥ずかしそうに戸惑う感じで首を横に振る。






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