代行秘書 ときどき レンタル彼女⁉



「今日はたくさん泣いて、明日はモリモリ食べるわよ!紗和すぐ食べる事忘れるんだから…」



「私……レオ好きになれば良かった」



「あら?ごめんね、女に興味ないのよワタシ。知ってるくせに」



少しだけ笑えた。
レオありがとう〜と抱きしめたら「今だけはこの厚い胸板貸してあげる」って髪を撫でてくれる。
いつの間にか眠りについてベットに寝かされていた。



窓から零れさす朝日で目が開く。
目覚めの悪い朝。
重い体を起こしボーッと部屋を見つめる。
あ……レオは?



ベットから降りてリビングに向かうとテーブルの上に作り置きしてくれたであろうホットサンドとメモ書きが。



〜しっかり食べるのよ!仕事行ってくるわね♪素直になれなくて悩む紗和も可愛かったわよ♡レオより〜



こんな朝でもクスッと笑いを与えてくれるレオが好き。
しかもめちゃくちゃ美味しいじゃん。
落ち込んでる場合じゃないよね……



少し開いていたカーテンを閉めようと手を伸ばした時。
たまたま下に停めてある車が目に入る。



ウソ………副社長!?
見覚えのあるBMW。
降りてこっちを見上げてた。
バッチリ目が合って思わずカーテンを閉める。



すぐにインターホンが鳴って恐る恐る出たらやっぱり副社長で会いたいと懇願された。



いつから居たの…?
鍵を開けて中に入れる。
玄関を開けたら、息を切らした副社長に強く抱きしめられて懐かしい匂いに包まれた。
昨日会ってたはずなのに……凄く恋しい。



「紗和……会いたかった……」



この声も……体温も……全部が恋しい……
昨日はあんなに拒絶したのに……
会いに来てくれた事が嬉しくて……
必要としてくれた事が嬉しくて……
また泣いてしまってる。






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