代行秘書 ときどき レンタル彼女⁉



「わかったよ……紗和ちゃんには相談にのってもらってただけだから」



「相談…?」



「そう、お姉さんのトリセツ聞いてたんだよ」



「トリセツ?お前が?」



おう…とか素っ気なく返事して、まだピンときてない副社長を見兼ねて「好きになっちまったんだから仕方ねぇだろうが!」ってとうとう真実を明かした。



「お前……マジだったのかよ」



「悪いかよ」



耳まで真っ赤になって認めてる。
本当に本当に本当なんだな……
どうしよう……無理なものは無理だけどダメもとでやってみるしかないか。



「とりあえずお姉ちゃん来月誕生日なんでそこに賭けてみましょう。あ、年の数だけの薔薇とかベタなのはやらない方が賢明です、お姉ちゃん薔薇嫌いなんで」



うんうん、と真剣に聞いてる。



「あとは……出来る限りで今まで通り毎日でも通って記憶を植え付ける作戦でいきましょう。誕生日の直前にパッタリ会いに行かなくなったら、あれ?どうしたんだろう?って……なるかも?」



私こそベタじゃん…と自分でツッコんでみる。
「おぉ、押して押して引く作戦だな?」って副社長の方が関心してるし。
あれ?堀越社長の表情が暗い。



「現時点で……ほぼ脈ナシでも?」



「え?」



「行くたびに呆れられて…この前はっきりタイプじゃないって言われたけどめげんなって事?」



タイプじゃない……お姉ちゃんがそう言う場合の確率は50/50…!
どっちにでも転べる…!






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