代行秘書 ときどき レンタル彼女⁉



「その程度の本気ですか?」



「え?違う!」



「だったら諦めないでください。堀越社長の全部、まだ出し切ってないですよね?」



「あ、ああ…!」



この単純さ、どこかの誰かに似てる。
やっぱ似たもの同士なんだね。
だからいつも張り合うんだ。



「本当に嫌っていたならすぐに通報してますよ?お姉ちゃん」



パアァ…!と表情が明るくなる。
こんな事でやる気スイッチ入るんならいくらでも言ってあげよう。



「じゃあお姉さんも紗和ちゃんと同じで押しに弱い?」



「え…?」



「響也の押し…半端なかったでしょ?だから俺になびかなかったのか」



顔を覗き込まれて更に頰が赤らむ。



「な、何言ってんですか…」



「可愛い、動揺してる…紗和ちゃんくらいに表情で読みとれればいいんだけどな…」



悪かったわね、プロ失格で。
押しに弱いなんてよく便利屋務まってるって自分でも思うわよ。



「強引さもお前の売りなんじゃねぇのかよ?百戦錬磨なんだろ?」



珍しく副社長が味方意見…!
応援してるって事…!?



「本気だから躊躇するんだろうが…嫌われたくないって思うけど諦めきれない方が勝ってるからこのまま突っ走るけど…いいんだよね?」



「えっと……」



「いいんだよ!欲しいもの欲しいって言って何が悪いんだ?惚れた女なら尚更だろ」



え、なにこの一体感……やっぱ似たもの同士だ。
いいんだよね?って感じで私にも目で訴えてくる。






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