代行秘書 ときどき レンタル彼女⁉



__ヤダ、この子!今思い出してたでしょ?



__ちがっ…!何も思い出してない!




ぶっ飛ばして着いた本社前。
相変わらずボロい建物だけど、少なからず俺は緊張してる。
社長を呼んでもらうもアポがないとと断られたが関係ない。
止められながらも奥へ進んで行く。



「紗和っ…!紗和っ…!」



ひと目を憚らず事務所で叫んだら紗和が出て来た。



「副社長っ…!?」



後ろからお姉さんも出て来て「噂をすれば、だね」と笑う。
制止してたスタッフさんに頭を下げる。
奥の社長室に入れてもらえ、3人になった。



まずは紗和に。



「ごめん、電話切れてなかったから…聞いちゃってた」



「えぇっ!?」



びっくりし過ぎ……おまけにドジし過ぎ。
そして次はお姉さんに。



「アポも取らずに手荒な真似してすみません、もっと早く挨拶に伺うべきでした」



「紗和から気持ちは聞きました、その件についての挨拶…ですよね?」



「はい、本来なら紗和さんの口から出る前に私からお伝えしなければいけないところをこのような形になり申し訳ありません」



「ヤダ、堅苦しい挨拶はやめてください」



「いえ、今日はお願いに参りました」



「とりあえず座りましょう?お茶出しますね?」



せっかちな俺は早く伝えたくて仕方ない。



「お姉さん…!」



「は、はい…!」



紗和の両親は高校一年の時に他界してその後はお姉さんが親代わりとなり大学まで出させてくれた、と聞いていた。
頭が上がらないのもわかるし、働いて姉孝行出来れば…とも言ってたのも聞いている。
だから、だからこそ………





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