代行秘書 ときどき レンタル彼女⁉
後日、日本から一件の依頼メールが届いた。
日本人カップルがこちらで挙式を挙げるらしく、全てプロデュースしてほしいという依頼。
結婚式を依頼してくる事も少なくない。
旅行中に現地の人と意気投合してそのまま結婚しちゃう事もよくあるのだ。
便利屋に頼んだ方が低コストで色んな無理難題を極限まで再現可能な訳だから利用者数も年々右肩上がり。
私達も走り回って依頼内容を実現する事に魂を捧げている。
日本の事務所スタッフと連携を組んで準備を進めていく。
日本人同士のカップルで出席者200人と割と盛大な式になりそうだ。
おまけにドローン撮影希望とな。
ロサンゼルスは思い出の地なのかな。
たくさんのおもてなしで祝福してあげたい。
また旅行にでも来たいって思ってもらえたら嬉しい。
一人でも多く、また利用者全ての人を笑顔にして帰すのが私達の使命だ。
当日、日本から姉と数人のスタッフが応援に駆けつける。
新郎新婦に挨拶をし、控室へ案内した後はイヤホンを使ってスタッフに指示を送る司令塔となる私。
会場の準備が整い参列者を入れようと別のスタッフに確認を取る。
すると姉からの指示で会場の中央に行くよう言われた。
え?何が?
言われるがまま中央に立つとイヤホンから再び姉の声が。
ーー紗和、そこから見える景色…よ〜く見ときなよ?
「え?どういう事?」
ーーそこ動いちゃダメだからね?
完全に頭が「?」で全く想像もつかない。
すると会場の扉が開き、続々と参列者が入って来た。