代行秘書 ときどき レンタル彼女⁉
「紗和……」
優しく呼ばないで………
これ以上泣いたらメイク崩れる……
「一日もお前を忘れた日はなかった。お前を嫌いになれた日はなかった。離れても…どう足掻いても…やっぱりお前が好きなんだ。もし今付き合ってる奴が居るなら悪いが別れてくれ」
周りから笑い声が聞こえてくる。
強情なところはやっぱり変わってない。
私も少し笑ったらその場で膝をついた副社長に心臓が飛び跳ねた。
差し出された指輪に周りが興奮してる。
「これからずっと俺のそばに居てほしい。日本に戻ろう?お姉さんの許可は得ている」
「えっ!?」
思わず姉を見たらばピースサインでウィンクしてる。
ALL ASSIST側のスタッフは皆拍手喝采だ。
「深山紗和さん、必ず幸せにする。だから俺と結婚してください…!」
こんな皆の前で……!?
ヤダ、恥ずかしいよ。
そんな事言われたら頭真っ白だよ……
「いいの……?本当に私でいいの…?」
泣きながらそんな事を聞いたんだと思う。
「昔も今も、紗和じゃないとダメなんだ。頼むから…もう離れないでくれ。俺と、結婚してくれる?」
これは……現実なの!?
夢じゃないよね…!?
涙を拭いながら大きく頷く。
安堵の笑みを浮かべた副社長に
「宜しくお願いします」と頭を下げたら一気に歓声と拍手に包まれた。
指輪をはめてもらうとグッと腰から引き寄せられ顔が近付く。
「えっ!?なに!?ムリムリムリ…!!」
突然の展開についていけずテンパる私の顎を持ち上げる慣れた手つきは健在ね。