代行秘書 ときどき レンタル彼女⁉
待ち合わせ場所には先に着いた。
前のデートが長引いたのか、少し遅れると連絡が入った瞬間テンションがた落ち。
広い駅前広場のロータリー前で手すりに腰を下ろす。
別に待つのは苦じゃない。
でもその理由次第では苦になる。
たった2時間しか一緒に居れないのに、乃亜さんにとっては大勢居るクライアントの一人に過ぎないのかと思うとちょっと切ない。
しかも顔見知りだ、少しくらいなら遅れても平気だろうと思われてるのかも。
そう思っていた矢先、勢いよくロータリーに入ってきた一台の車。
すぐにわかった。
助手席に乗っているのは乃亜さんだ。
俺と目が合ったのか、かけていたサングラスを取り車から降りてきた。
ベージュのタイトな膝丈ワンピース。
ニット系?ハイウエストでシースルーって言うの?穴がポコポコ開いてる感じ。
かなり大人コーデで見つけた瞬間からドキドキしっぱなし。
ゆるく巻いた毛先を揺らしながら俺の元へ来て手を合わせ「ごめんなさい」してきた。
本当に現れた………女神だろコレ。
車からここまでの距離だけで皆振り向くほどの美貌の持ち主。
ていうかスタイル良すぎ…!
直視出来ません…!
黒のチェーンバックにベージュのヒールだから少し高く見える。
真っすぐ俺だけを見て謝る姿が可愛くて仕方ない。
とっくに許してるけど正直まだ見てたいという願望。
「遅れてごめんなさい、許して…?」
うわ、その目線ヤバい…!!
女慣れしてる俺でも心臓とび跳ねるレベル。
ほんのりピンクな唇が次は何を言うんだろう。
意地悪してたんじゃない、単に見惚れてたんだよ。