代行秘書 ときどき レンタル彼女⁉



物音たてないよう慎重に進んでいく。
人の気配を感じてすぐに乃亜さんの腕を引き寄せ障害物へ身を潜める。
かなり密着して顔も近い。
ゴーグルをしていて完全装備だから誤ってキス…なんてのは期待出来ない。
でもほんのり香る乃亜さんの良い匂いに一瞬グラついてしまいそうになる。



ドアが開いて相手チームが入ってきた。
早速撃ち合いが開始される。
隠れながら撃つドキドキとスリル。



え?撃たれた?
いや、撃ったのは俺の方。
ヘヘン、参ったか。
弾が当たったのは彼女の方だったけどこれで1人減った。
身を潜めながらのグータッチ。



そして、予め2人で練っていた作戦を実行する時がやって来た。
アイコンタクトで促す。
今2人が隠れている障害物の隣にも少し離れてドラム缶が置いてある。
まず俺がオトリになり走って移動するすきに乃亜さんが残りの1人を仕留めるというもの。



逆に相手もそれをよんでいて乃亜さんの方にガンを向けていたらやられる可能性は高い。
いや、俺がそうはさせない。
絶対乃亜さんを守ってみせる。
絶対負けられねぇ。



意を決して隣のドラム缶に向かって走った。
案の定、俺に向かって弾は何発か発射。
すかさず乃亜さんは隠れていた障害物を乗り上げた。



俺は前転しながら避けて素早くドラム缶に身を隠す。
さすがに相手も俺がオトリだと気付き乃亜さんにガンを向けたのを見て隣を見上げた。



ヤバい……!撃たれるな……!!



障害物を乗り上げた乃亜さんはそこから勢いよく飛んで相手にガンを向けている。
緊迫した中で撃ち合いが勃発した。
飛ぶ事で相手の弾を避けながら自分は正確に撃つという凄技。
ていうかそれ、プロでも難しいぞ。






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