代行秘書 ときどき レンタル彼女⁉
もうバカップルになっちゃえ。
「言われたら嬉しい」とクライアントを見て頬を赤らめる。
「同棲しちゃえば?」と上から目線も想定内。
終始見つめ合いバカップルを演じていれば相手カップルも争点を見失う。
「ていうかあんた、そうちゃん幸せに出来るの?」
突如、相手カップルの彼女の方が突っかかってきた。
「そうちゃん」って呼び出したし。
ピンときた私はすぐにアドリブで返す。
「幸せにしますよ?今、現に幸せですし」
余裕ぶって答えると焦って言い返してくる。
「絶対ウソ……何か白々しいもん。どうせ知り合いの誰かに頼んだんでしょ?そうちゃん、そうなんでしょ?」
「お前に関係ないだろ?俺が好きで付き合ってんだよ!お前こそ彼氏居るのに何言ってんだよ」
「は?お前らまだ繋がってたの?ふざけんなよ、俺降りるわ」
「ちょっ…!たくま…!」
出て行く彼氏を追いかける相手カップルの彼女。
よくある、修羅場ってやつですね。
たまにこういうパターンもあるのです。
彼女のフリするけど本命とくっついちゃう、くっつけちゃうパターンね。
急遽、代行依頼がくっつけ屋に変更になったりとか。
隣で呆然とするクライアントの背を押す最後のアシスト。
「あなたにまだ好きという気持ちがあるなら追いかけてちゃんと気持ちを伝えてください。彼女、きっとあなたに気がありますよ?おそらく彼女たちがモトサヤになる可能性は極めて低いと思います」