代行秘書 ときどき レンタル彼女⁉
「え、じゃあそっちには受信すらされないって事?」
「うん、勘違いする人が多いから」
その中の一人じゃんか、俺。
なんだ、既読スルーじゃなかったのか。
「何て送ったの?」
「え、ごめんなさいって」
「あぁ、ホテルでの事よね?」
「はい…」
「気にしてくれてたんだね?」
「本気でヘコんだ……」
「早速規約に追加したから。依頼以外での接触禁止及び業務妨害の禁止」
「はい…すみませんでした」
「こちらこそ大人気ない言動、申し訳ございませんでした」
「もう、怒ってない?」
「はい、ていうか怒れる立場でもありません」
良かったぁ…!
マジで良かった…!
心底ホッとして胸を撫で下ろす。
「ところであのジープ、堀越さんの?」
「まぁ…」
「あんなの乗り回すくらいなんだからレンタル彼女なんかしなくても相手しきれないくらいの女の子寄ってくるでしょう?凄くイケメンだし、何でウチなんかに…?」
「え、言いましたよね?俺とデートしてください、どうすれば乃亜さんを独占出来るんですか?って」
「言って……ましたね」
「まだ足りないですか?何度でも言います、俺は乃亜さんが好きです。欲しいです…」
「ちょっと待って…!あなたも勘違い組?」
「え…?」
「私はこういう仕事だから恋人は作らない主義なの。それにはっきり言ってあなたに興味はない」
ガーン………………!!
そんなにはっきり言う?
しかも秒速でこの俺をフッちゃうんだ?
興味は……ない?
これも初めて言われた。
「あ、でもレンタル彼女ならいつでも」とウィンクしてる。
天性の魔性の女………
初めて、俺をフッた女。
どうしよう……
俺のメンタル……なかなか回復しないぞコレは。
まだまだ乃亜さんの前では上がったり下がったりとなかなか忙しい。