代行秘書 ときどき レンタル彼女⁉



「俺にとってはそれ以上の相手です…!まだ足りないくらいだ……後で返してとか言うセコい男じゃないから俺。だから受け取って?いらないなら…売ってくれていいから」



もう一度プレゼントを見て大きなため息をつく乃亜さん。



「お願いだからもうこんなお金の使い方しないで?ベンツとか…お金持ちのする事じゃん」



俺、また呆れられてるの?
うそーん……絶対喜んでくれると思ったのに。
めちゃくちゃ自信満々で渡したベンツのKEY。



「正しいお金の使い方なんかよくわかんねぇよ……好きな人の為に使っちゃダメですか?好きな女の為なら例え貯金が底をついたって、また頑張って働くよ!必死で稼ぐから…いいんじゃないですか…?」



ついムキになって言ったら今度はクスッと笑われた。



「でも何でベンツ?国産車で充分なんだけど」



「社長なんだからまずはベンツでしょ?運転しやすいAクラスにしといたよ」



「ったく、お金の使い方も教えてあげなきゃいけないみたいね」



「え〜ダメ?じゃあ乃亜さんが俺のお金の管理してよ」



「ハ?何でそうなる訳?」



笑いながらまた手が伸びてきた。
再び避ける。



「何で逃げるの?」



「乃亜さんが濡れちゃう」



「別に良いんだけど?」



「ほら、風邪ひいちゃうからもう中に入って?明日、一緒にそれ取りに行こう?この近くだから」



「え?帰るの?その格好で!?」



「大丈夫だよ、タクシー拾うから」



「拾えなかったら?」



「じゃあここで呼ぶよ」



携帯を取り出す。



「あっ、そうだ…!」



「な、何?どうしたの?」



乃亜さんに一歩近付いてイチかバチか手を合わせて懇願する。







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