代行秘書 ときどき レンタル彼女⁉
「よせよ」と断る方向に向いていたのに彼女の連れらしきメンバーが迎えに来る。
ほとんど男じゃん。
そしてそのメンバー達とも面識がある……よね普通は。
「有美子どこ行ってたんだよ、すみません急に店飛び出しちゃって…って、響也っ!?うわ、マジ!?」
「え?響也?久しぶりじゃん!」
「響也どこどこ!?わ、本当だ」
続々と周りを固められて私にとっては地獄状態。
ゆっくり手を離そうとしたらしっかり握ってきた。
「お前ら本当こんなところで何してんだよ」
「久々に飲み会だよ、響也は?デート?彼女?可愛い!俺ら響也の大学の同級生でーす!」
お酒の入った皆はテンション高めでチャラい。
そっと自分が盾になって「お前ら近すぎだよ」と追っ払ってくれる。
再び彼女が一緒に飲もうと誘ってきてそれに皆も乗っかり始めてキツイ。
「止めろって、せっかくのデート邪魔すんな」と断わってたのに。
有美子という女もやたらしつこい。
ていうか私が目障りなのが見え見え。
一緒においでよと誘われたけど、もう契約終了の時刻だ。
「響ちゃん行っといでよ。私はごめんなさい、この後用事があるので帰ります。今度是非誘ってください」
えっ?てな顔してるけどこの方がサラッと別れやすい。
あの女の思い通りになるのはシャクに触るけど好都合かも知れない。
「響ちゃんだって〜付き合ってどのくらいなの?コイツ大変でしょ?」と囃し立ててくる友達に「向こう行ってろ」と応戦してる。
少し離れたすきに有美子が近付いて来た。