代行秘書 ときどき レンタル彼女⁉
「本当に付き合ってんの?何か響也、趣味変わった…」
超ミニスカ、胸元パッカーンなキャバ嬢みたいな彼女は巻き髪クルクルしながら私を品定めしている。
本来なら愛想笑いで誤魔化すところなんだけど……
言い返すとか正直面倒くさいし、第一クライアントのプライベートには興味がない。
適度な関係性で干渉はしないのが私の中のルールなはず…だったんだけどな。
「付き合ってます、あなたが入るすきは…今のところないみたいですよ」
思いきり笑顔でそう言ったら案の定怒らせたかな?
「はぁ!?」てな顔してる。
すかさず副社長が戻って来て「送るよ」と言ってきた。
「いいよ、すぐそこだから」と遠慮したのに「改札まで送るから」ともうほぼ駅前にも関わらず頑なに言う。
友人達には頭を下げて別れた。
一人睨みつけてる女を除いてだけど。
「何かごめん……最後面倒くさい事に巻き込んじゃって」
改札に向かいながら私だけに聞こえる声で言ってきた。
「久しぶりなんですよね?楽しんできてください」
「もう敬語に戻ってる……やっぱそうなるよね」
悲しそうにシュンとする。
呆気なく現実はやって来るのだ。
戻してあげるのも私の役目。
それがクライアントとの契約。
あと数歩で私の、レンタル彼女は終わるの。
手繋ぎから肩を抱かれて………
「今度はもっと、色んなところに行きたいな」
それは次も……レンタル彼女だって事なのかな。
「またデートしてくれる?」