代行秘書 ときどき レンタル彼女⁉
「大丈夫、前に一度断わってるから」
そんな事言ったって女は次の作戦で来るよ!
諦めれないなら尚更!
接し方でわかんないかなぁ??
男はそういうとこ鈍感…!
「へへ、秘書も好きだけど今日の紗和はもっと好きかも」
ヘラヘラ笑ってんじゃないよ。
あの女がチラホラ見てるのはとっくに気付いてる。
まるで監視してるみたい。
この苛つきが私をとんでもない行動に出させる………
「彼女しつこいから気をつけて…」
「了解」
本当にわかってるの!?
この後お酒入るんでしょ?
理性保てんの!?
私以外の女に……触れたりしないよね?
「じゃあ最後に魔除けでオプション付けていい?」
私、何言ってんだろ………
見張りが居ない事でセーブし忘れてる…?
「オプション?」
より近付いて頬に手を触れる。
固まる副社長に本来なら絶対にないオプションを……
「寸止めだけど見えるようにするから少しだけ動かないで?」
「え…?」
両手で頬を包み込みそっと背伸びする。
顔を近付け、口元わずか数ミリで寸止め………
私からキスした風に見せつける。
副社長の背中側から見てるから本当にしてるように見えてるはず。
両者に爪痕残せたかな…?
悔しがってたらやった甲斐あるよね……
離れた後も私を忘れないでいてくれたら意味のある事したんだって……
「これが魔除け」と言ってすぐに体を離す。
夢見心地のままサヨナラさせて…?
次に会う時はまた秘書としてだけど、私も今日という日を忘れないよ。
「バイバイ」
フリーズしたままの副社長を残して、レンタル彼女は終わった。