代行秘書 ときどき レンタル彼女⁉
「え、何であいつがダージリンティーだって知ってるの?」
「確か最初に頂いたマニュアルに載ってたはず……あれ?違ってました?副社長はアッサムティーのストレートですよね」
あんな分厚いマニュアル渡しておいて何で知ってるの?はないでしょ。
覚えるの大変だったんだから。
取引先の名簿に細かく書かれた接待方法や好みの手土産まで。
「あいつの事調べたんだ?」
「…仕事ですから」
少しずつ詰め寄る副社長に後ずさりする。
「秘書としては合格だけど……全く、俺を妬かせるの上手いね」
見つめ合ったまま優しく頬をつねられて固まる私。
そのセリフは……ヤバイでしょ。
ニッコリ微笑んで出て行った後もしばらく動けないでいた。
余韻が私を縛り付ける。
格好良すぎて普通にキュンとした。
確実に、私の心を蝕んでいる………
この胸の高鳴りに気付かないフリは……もう出来そうにない
いつまで……隠し通せるのか………
いつまで……毅然としていられるのか………
前代未聞の……ギブアップかも………