代行秘書 ときどき レンタル彼女⁉
「やっと2人きりになれたね?」って冗談じゃない!
ようやく我に返った私は離れるも引っ張られた手はしっかりと握られたまま。
頭上から「深山秘書ーっ!」と副社長の声が響いていた。
「相変わらず怒りん坊だな響也は」
「副社長、体調が思わしくなくて…あまり刺激しないであげてください」
「ふーん、随分親しい関係なんだね?」
「いやっ、そんな訳では…」
お願いだから手離して……?
距離近過ぎだからっ……!!
「響也の事好きなの?もしかしてもう付き合ってるとか?」
「いいえ!」
首を振って全否定したけどもっと詰め寄れて壁ドン状態に。
この人との密室は危険だ…!
「じゃあこのまま口説かれてよ、あいつの秘書だろうが俺…関係ないから」
関係大アリよ…!!とは言えず。
ただただ危険な瞳の中で溺れそうな私……
顔が近付いたからとっさに唇は守った。
掴んだ手は持ち上げられ壁側に。
この状況……どうすれば??
「響也の女になる?それとも俺の女になる?2つしか選択肢はないと言ったらどうする?」
はぁ!?何?その2択。
何でトップクラスの人間はこうも傲慢なのか。
自信つき過ぎちゃって有り余ってるのね。
どの権利があって私の人生を決めつけてるの!?
「有り得ないです、どちらも興味ないんで巻き込まないでください」
結構キツめに言ったつもりが堀越社長は笑い出してしまった。
「いや〜ますます気に入った!そんな顔して気の強い女、興味しかわかない」