チョコレートは恋に等しい




「んー、美味しい!」



チョコたい焼きを食べ終え、フォンダンショコラのパフェを買って食べていると谷からの視線を感じる。



「あ、ごめん。食べたいよね。」



はい、とパフェを手渡せば「ここ、ついてる」と唇の下を指で拭い取られる。



それから何も無かったようにパフェを受け取って一口食べる谷。




「うわ、これすごいおいしいな。このソフトクリーム、ミルク感めちゃめちゃあんのに、割とさっぱりしてていくらでもいけそう。下のどっしりしたフォンダンショコラとの相性いいな。……うま。」



ご丁寧に感想まで言っちゃってくれてさ。嬉しいけど。なんというかもうちょっと意識してくれてもいいのに、とも思う。


谷にとって私は子供みたいな感じで、全然恋愛対象に入ってないんだろうな。



「ああっ、もう!そんなに食べないでよ!!」



だいぶ減ってあと二口ぐらいになってしまったパフェを慌てて谷から取り返す。



ごめんって、あんまり美味しいからさ、なんならもう一つ買ってこようかと謝る谷に私はパフェを食べながら思いついたことをそのまま口に出す。



「いいよ、別に。また来年来るし。」



すると谷が言う。



「そしたらその時にこのパフェがあったら俺が買うよ。」



「え、来年も谷来るの?」



一瞬の間があった。



「あ、俺誘ってもらえないの?」


谷が少し残念そうな顔をしたのに気付いて焦る。


「あ、いや、そういうわけじゃなくて。誘うよ!谷が嫌じゃなければ。」



嫌じゃないよ、と嬉しそうな顔をした谷に思わずキュンとする。





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