チョコレートは恋に等しい
なんだか勘違いしそうになる。そんなわけないのに。
谷が私と来年も一緒に来たがってるのかな、なんて。ただ自然な流れでそう言っただけかもしれないのに。
谷が私のこと好きでいてくれたらいいのに。
「あー、なんか甘いチョコ食べたい」
ショーケースを覗きながらそう言うと、
谷があれ?と声をあげる。
「ん?香織、ビターの方が好きじゃなかったっけ?珍しいな」
チョコレートを見ていたいから、ショーケースから目を離さないが、驚いているのが声だけでわかる。