クールな西園寺くんと、婚約したら。
LOVE >>1
愛莉、腹をくくる。
***
「愛莉、実はお前には生まれながらの許嫁がいるんだ」
「……は?」
いつも通り、家族四人で晩ご飯を食べ終わり、リビングで寛いでいた私に
一聞では到底、理解に苦しむ言葉を放り込んできたお父さん。
いやいや。
何言っちゃってんの、お父さん。
許嫁なんて言うのはね?
お金持ちの家とか、マンガとかドラマの世界の話で、どちらかと言えば下流階級のわたしにとってはほぼフィクションな話だから。
私に許嫁がいるなんて、そんなの有り得るわけがない!
そう鼻でわらって、夢は寝てみてよね〜なんて可愛げのない返事をする私に
お父さんは真剣な顔で再び静かに話し始めた。
「お父さんなぁ、昔はこれでもエリートだったんだ。ほら、西園寺グループ知ってるだろ?」
「……西園寺グループ?」
西園寺グループって言ったら、今若者の間で人気のファッションブランド『LiLy(リリー)』が有名な、次元の違うお金持ちグループだ。
「お父さん、前に務めていたのが西園寺グループの子会社でね。そこで、西園寺グループの息子さんと組ませてもらっていたことがあって」
「嘘!?な、なんでその会社辞めちゃったの?」
「辞めた、と言うよりは……リストラにあったって言った方が正しいかな」
ハハッと乾いた笑いをこぼすお父さんに、もはや絶句してしまう。
そうか、このご時世。
サラリーマンにはリストラが付き物……か。
「愛莉、実はお前には生まれながらの許嫁がいるんだ」
「……は?」
いつも通り、家族四人で晩ご飯を食べ終わり、リビングで寛いでいた私に
一聞では到底、理解に苦しむ言葉を放り込んできたお父さん。
いやいや。
何言っちゃってんの、お父さん。
許嫁なんて言うのはね?
お金持ちの家とか、マンガとかドラマの世界の話で、どちらかと言えば下流階級のわたしにとってはほぼフィクションな話だから。
私に許嫁がいるなんて、そんなの有り得るわけがない!
そう鼻でわらって、夢は寝てみてよね〜なんて可愛げのない返事をする私に
お父さんは真剣な顔で再び静かに話し始めた。
「お父さんなぁ、昔はこれでもエリートだったんだ。ほら、西園寺グループ知ってるだろ?」
「……西園寺グループ?」
西園寺グループって言ったら、今若者の間で人気のファッションブランド『LiLy(リリー)』が有名な、次元の違うお金持ちグループだ。
「お父さん、前に務めていたのが西園寺グループの子会社でね。そこで、西園寺グループの息子さんと組ませてもらっていたことがあって」
「嘘!?な、なんでその会社辞めちゃったの?」
「辞めた、と言うよりは……リストラにあったって言った方が正しいかな」
ハハッと乾いた笑いをこぼすお父さんに、もはや絶句してしまう。
そうか、このご時世。
サラリーマンにはリストラが付き物……か。