たぶん..初恋...だった。
命の危機を感じながら初めての二人乗りから降りて、マックに着いた。

「ほんと死ぬかと思ったーー!!」

「大げさすぎるだろ」

私の頭に手をポンと置きながら久野くんはそう言った。

「いや!だって下り坂でもそのまま突っ走るじゃん!ありえないって‥」

久野くんの手の温もりが残っているのを感じつつ、後ろを追いかけて店内に入る。

「まあスリルがあっていいじゃん?

てか前から思ってたけど、お前小ちゃいよね」

「‥は!?小ちゃくないし!

平均身長の156センチなんだけど!」

「えっうそやん‥もっと低いかと思った」

「いやいや!てか久野くんが大きいんだよ!何センチ?」

「んー‥たぶん180ちょい?」

「高っ!そりゃあ私のこと低く感じるでしょ笑」

「いやそういうことじゃなくて、

なんか瑠美ってさ、ほわほわ?してるっていうか、小動物系って言うの?小さくて動き回ってて可愛い感じじゃん」

「‥え‥なにそれ」

「いやほんとに!なんか守ってあげたくなる感じ!」

ちょうどそこで注文に呼ばれた。

ハンバーガーを注文しながら、鼓動が早くなっていくのを感じた。



‥可愛いって‥守ってあげたくなるって‥


久野くんはたぶん誰にでも何気なく言えるんだろうけど、私にとっては‥


いろんな感情が渦巻きながらマックを後にし、

帰りは一緒に歩いてくれて、それでまたなんか分からないけど、胸がギュッとなった。
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