たぶん..初恋...だった。
1人っきりの家に帰ってから、少し考えていた。

‥私‥やっぱり久野くんのこと好きなのかな‥?

いやでも、今まで周りに久野くんみたいなタイプいなかったから慣れてないだけで、別に好きじゃない‥‥はず‥

んー‥じゃあなんでさっきドキッとしたんだろ‥

そんなことを考えていたら、いきなりケータイが鳴った。


着信:お母さん

‥えっ!?

「もしもし!お母さん?」

「あー瑠美〜?なんだか久しぶりに話した気がするわね‥

明日あんた暇?」

「えっ!うん!暇だけど‥」

「じゃあ明日どこかお出かけしましょ〜たまには家族で出かけたいわね」

「‥うんうん!!」

やったー!!久しぶりにお母さんとお出かけできる!!何年ぶりだろ、、?

なんだかんだ言ってもやっぱりお母さんのことは好きだし、電話を切ってからもずっと明日のことが楽しみだった。

その日の私は寝るまでずっと明日のことで頭がいっぱいだったんだ。




‥でもそんな時に限って‥


「お母さん?おはよう!今日どこ行く?」

次の朝起き上がってきたお母さんに、手料理を振舞いながら尋ねた。

「‥え?‥


‥あっ、あーっ‥ごめんね、私ったら。昨日お客さんにたまにはいい母親したらどうだって言われて、それで電話したのよね〜、

ほんとごめんね?‥でもあんたももう高校生だし私なんかよりもっと彼氏とかと遊びに行った方が楽しいでしょ?」


そんな風に言われたら、楽しみにしてたなんて言えるわけもなくて、

「‥ううん、出かけてくるね‥」

としか言えなかった。
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