たぶん..初恋...だった。
ゴールデンウィーク中、りゅうちゃんとカラオケに行ったり、夏実とご飯食べに行ったり、そうやって過ごしていたらあっという間に最終日を迎えた。


なんか日常に戻ってから、あの日のことは夢だったんじゃないかとか色々思えてくる。


でも、ふとした瞬間に感じる下半身の痛みが現実だと訴えかけてくる。



そして最終日に事件が起きたのだ。

この日、もうすぐ誕生日のりゅうちゃんのために1人でショッピングモールにプレゼントを買いに来ていた。


めぼしいものが見つからなくて、ぐるぐるしていた時、目の前に知っている人影があった。



ーーーーお母さん‥!ーー

隣の人はたぶんお客さん、、気まずいし見つからないようにしようと思っていたら、





‥‥え‥



‥うそでしょ‥‥


隣の男の人を知っていた。

というか、知らないはずがなかった。




だって‥中学3年の時の担任だった‥。



その場から動けずにいると、2人がトイレに分かれて入っていくのが見えた。


‥自分でどうにかしなきゃ‥ちゃんと確かめなきゃ‥そう思って、私は女性トイレに入っていった。







「…お母さん‥」

「あら〜瑠美ったらずっといたの?」

「‥ううん、さっき気づいて‥。」

「そう?」

「‥あ、あのさ!‥さっき隣にいた人って‥」

「ああ?岡田さん?‥そういえば瑠美の担任の先生だったわよね?」

「‥え‥知ってたのに‥‥なんで‥?」

「やだっなんでって‥お仕事だからよ」

「‥でも私があの人にセクハラまがいのことされたって‥」

「まだそんなこと気にしてたの〜?女はね、そんなことくらいでくよくよしてる暇なんてないのよ

それにその分、今私に貢いでくれてるんだからいいじゃないの〜許してあげなさいよ」

「…っ」



悔しくて悔しくて、


目の前にいるこの人はきっと母親の形をした何か別のものなんだと思った。






‥いや正しくいえば、そう思わなきゃやっていられなかった‥。



「‥私‥帰る…」


それだけ行ってショッピングモールを飛び出した。


悔しさと悲しさとあと切なさと、いろんな感情が混ざって苦しい‥




‥あの時みたい‥




‥久野くんに‥会いたいな…



‥無性に会いたい‥



側にいてほしい‥でもそれだけじゃたぶん足りなくて、きっと私はまた体の繋がりまで求めてしまう‥


‥だって行為をしてる時だけは、私のことだけを見て愛してくれるんだもん‥‥













‥気づいたら久野くんへの発信ボタンを押していた。
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