たぶん..初恋...だった。
「‥っ‥ごめんね‥こんなこと言わせちゃって‥


‥気持ちにずっと気づいてあげられなくてごめん‥。」

それしか言えなかった。


するとその瞬間、全ての気力を使い果たしたかのように全身の力が抜けて目の前が真っ暗になった。













目がさめると知らない部屋にいた。


「‥あっ、目さめた‥?」


「‥あ‥りゅうちゃん…」


もう一度周りを見渡すと、知らない部屋と思っていた場所は昔よく来てたりゅうちゃんの部屋だった。


「‥いきなり意識なくすからびっくりした‥

雨に熱奪われて風邪ひいたみたいだから、今日はこのままそこで休んでなよ?」

「‥あっうん‥ありがとう‥

‥って待って!!服は!?」

制服から着替えさせられていることに気づく。

「いや勘違いすんなって!母さんが替えてたから俺なんも見てねえし!」

慌てて答えるりゅうちゃん。


りゅうちゃんママは看護師さんで昔から私が体調を崩した時によく看病してくれていた。

「‥もうっ‥びっくりしたじゃん‥」


少しの間沈黙が漂う…。


「‥えっと‥とりあえずここまで連れてきて色々してくれてありがと‥ね‥?」


「…はぁっ‥‥」

いきなりため息をついて頭を抱え込んだ。


「えっ!?なにどうしたの?」


顔を真っ赤にしながら

「…それはずるいって‥首かしげてそんなこと言うのはナシ‥」

なんていうもんだから、さっきのことも思い出してこっちまで照れが移ってきてしまった。

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