たぶん..初恋...だった。
「…てか俺も一応男だし‥この状態はキツイって‥

今日は他の部屋で寝るから!」

なんて言ってドアの方に向かおうとしたのを気づいたら、袖をつかんで

「‥待って‥行かないで‥」

なんて止めてる私。


昔からのりゅうちゃんに甘えちゃうクセで止めてしまったが、我にかえってハッとなり、慌てて手を引っ込めた。


「‥なんて‥ね‥ごめん」

すると

「バーカ。謝んなよ‥ずっと隣にいてやるから安心してもう寝な?」

なんて頭を優しく撫でながら言う。


「‥ごめん‥」

気持ちに応えられないのに、都合のいい時ばっかり頼っちゃう自分が本当に嫌で、申し訳なくて、謝ることしかできなかった。


「‥そこはありがとうでいいよ?

寝付けないならなんか童話でも読んでやろうか?」

なんていたずらっ子みたいな顔をして聞くもんだからつい笑ってしまう。


「…ありがとうね‥りゅうちゃん」

そう言うと、少しだけ切なそうに微笑んでくれた。

気づけば深い眠りに落ちていった。












「おはよう」

そんな声で目をさます。

「‥おはよう」

「俺はもうそろそろ学校行くけど、瑠美はこのまま休んでていいからね」

「あっうん‥ありがとう」



そうしてりゅうちゃんが出かけていった部屋に1人残った。


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