たぶん..初恋...だった。
‥言ってしまった。


もうこれで完全に嫌われてしまうかもしれない。


でもこんなことになったのは全部私のせい。



「…ほんとにごめん‥」


昨日から謝ってばかりだけど、それ以外に言えることはなかった。


「…えっ…嘘だよね‥?」


「…ごめん‥」


「‥…そっ‥か…

‥無理やり聞いてこっちこそごめん‥」


もうお互いの目を見て話すことはできなかった。


「‥瑠美はその関係に納得してるの‥?」


「…納得もなにも‥私が辛い時にちょうど助けてくれて…



‥それで私から言い始めたことだから‥」


「……っ‥」


私をぐいっと引き寄せた。


「…なんで…なんで‥っ‥


なんでそん時に瑠美の隣にいたのは俺じゃないんだよ‥


‥そしたらアイツじゃなくて…少しは俺のことも見てくれた‥?」


振動が伝わってくるくらい震えながらそう必死に言葉を紡いでいた。


「…りゅう‥ちゃん…苦しいよ‥」


あまりの力に苦しくなった私を見てりゅうちゃんはゆっくりと離れた。


‥その瞳には涙が流れていた。





気持ちに応えてあげられないことがこんなにも苦しい。


それが大切な人であるからこそ余計に苦しい。
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