たぶん..初恋...だった。
1日の授業が終わり、いつもの待ち合わせの場所に行ってりゅうちゃんと一緒に帰る。



りゅうちゃんはあのことがあってから、いつもに増してさらに優しく接してくれるようになった。





‥多分気を遣ってるんだと思う。



そんな必要全然ないのに。




って言いたいけどそれでも私のことを1番に考えてくれているりゅうちゃんを見たら何も言えなくなるんだ。







‥それに私に好きだと言ったあの日から、



本当に私のことが好きなんだろうなっていう笑顔を見せてくれるんだ。


くだらない私の話でも、本当に楽しそうに嬉しそうに、幸せそうな顔で聞いてくれる。






もしかしたら私が気づいてなかっただけで


‥ずっと前からだったのかもしれないけれど。




私はその気持ちには応えられないけど、それなのにこのままの関係でずっと一緒にいたいなんて思っちゃうくらい甘ったれてる。




それは自分でも1番分かってる。







‥りゅうちゃんを待ってると靴を履き替えにきた久野くんが目の前を通った。





私は久野くんから目が離せなくなって身動きが取れなくなってしまうけど、



そんな私を見えていないかのように歩いて行ってしまった。



後ろから背中を見ていると、切なさと一緒に愛しさのようなものが溢れてしまう。






「瑠美!」



そう呼ばれてやっと我にかえった。



「…りゅうちゃん‥


‥遅いよ、もう!」




なんて言いながら内心では、今の状態を見られていたのかな?なんてドキドキしている。



「‥帰るぞ」


少し寂しげな表情が全てを物語っていた。








「そうだ!昨日俺バイト代出たからどっか寄ってかない?おごる!」




ずっとどこか元気ない私を励まそうとしてくれてるのか、そんな提案をしてくれた。



「‥うん!行きたい!」


私も最大限に喜んでみせる。





‥そんな私を愛しそうに見てくるりゅうちゃん。



なんだか少し泣きそうになった。
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