たぶん..初恋...だった。

新しい環境

次の日もいつも通りりゅうちゃんと朝一緒に登校して、1年A組に向かった。

教室に入ると、前の席の久野くんはまだ来てないみたいだった。

かわりにそこの席に夏実ちゃんがやって来て、
「おはよー!今日から普通の授業とかだるいよね〜」と話しかけてくれた。

夏実ちゃんは女の子っぽい見た目とは裏腹に意外に元気な子らしい。

「夏実ちゃんおはよ!ねっまだ2日目なのにねー」
なんて返す。

そんな会話をしていたらあっという間に予鈴がなってしまったけど、久野くんはまだ来ない。

休みなのかなー?なんて思っていたら先生が教室に入って来た。

先生が出欠を取り始めたその時ーー


「セーーーーーフ!間に合った〜」

すごい勢いでドアを開けて久野くんがやって来た。

「いや間に合ってねーよ!」なんてケラケラ笑いながら、昨日の久野くんの友達らしき人が言った。

先生も「‥久野〜‥まだ2日目なんだからしっかりしろよー‥」なんてため息を吐く始末。


それなのに久野くんは少しも悪びれることなく教室に入って、自分の席に座った。

と思ったその瞬間、後ろを振り向いて

「小松っおはよ!」と昨日のクシャっとした笑顔で話しかけてきた。

不意打ちで声が出なくて固まっていると、

「おーい久野〜お前遅れたうえに女子をナンパとはいい度胸だな〜」なんて先生が怒ってみせる。

「いやっ違いますって!クラスメイトと仲良くしようとしてただけっすよ」なんて焦る久野くんに

「お前なー‥あとその髪とピアスは校則違反だからあとでちょっと来いー」とトドメを刺した。



結局おはようって言いそびれたことに気づいたけど、もう言いづらいしどうしよう‥なんて考えてるうちに1時間目終わりのチャイムが鳴った。

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